離婚時に大学院に進学した場合の養育費終期の延長並びに学費及び留学費用の負担について取り決めた事例
- 司 古川
- 8月11日
- 読了時間: 2分
依頼主:40代/女性
ご依頼の経緯
「別居している夫から離婚を求められた。離婚自体は仕方がないと考えているが、離婚した場合、大学生の子どもが大学院に進学した場合の学費や留学した場合の費用がどうなるのか不安である。」という相談でした。
当事務所の対応
子どもの教育費の問題がクリアできれば離婚自体には応じられるとのことで、弁護士を通じて夫側と離婚条件について協議を行っていきました。夫側は、大学院進学や留学については現時点で決定しているわけではないため、将来実際に費用が発生した際にその負担について別途協議するという内容を提案してきました。
しかし、妻側では、離婚の時点で、大学院進学時の費用負担について具体的に約束をしておきたいという希望が強く、夫側の提案に応じることはできませんでした。
そのため、代理人として法的な観点からの妻側の主張を行うことに加え、子どもの協力のもとで、子どもが大学で学業に励んでいることや子ども自身の大学院進学の希望が強いことを夫側に伝え、夫の心情にも働きかけながら、粘り強く交渉を行いました。
その結果、子どもが大学院に進学した場合には養育費の終期を大学院卒業相当年齢まで延長することや大学院学費や留学費用の負担を約束する内容で離婚を成立させることができました。
古川 司弁護士からのコメント
養育費の終期は原則として20歳であり、その終期の延長や大学・大学院の学費等の負担は、大学・大学院への進学について義務者の合意がある場合に認められるのが基本です。
そのため、離婚後に大学・大学院の学費や卒業までの養育費の支払いを求めたい場合には、離婚時に、義務者としっかり協議し、合意をしておく必要があります。
合意を獲得するためには、法的な観点からの主張を行うだけでなく、相手の心情にも働きかけるなど、総合的なアプローチと交渉力が求められることも多くあります。
複雑な事情が絡む養育費の協議には、専門的な知識と豊富な経験が必要になるため、離婚分野の経験豊富な弁護士に相談することをお勧めします。


